用語解説
ぶっつけ
お囃子の競演
「ぶっつけ」には二つの意味があります。
ひとつは、交差点などで二台以上の彫刻屋台が向かい合い、お囃子の競演を行うことです。
お囃子を激しく演奏し合い、調子を狂わせず演奏することを競うもので、このとき周囲では提灯や歓声などで囃し立てます。
仮屋台の奉納行事
もうひとつは、9月上旬に行われる仮屋台の奉納行事のことです。
各町がリヤカーなどを利用して簡単につくった仮屋台で神社に繰込み、例祭に屋台を出す意思を表します。
拝殿では各町に宮司から番号札が手渡され、例祭の繰込み順が正式に決定されます。
手古舞
鹿沼の手古舞は、鉄棒(かなぼう)ひきのほかに先頭の拍子木が加わり、屋台を先導します。
昔は芸妓などが男装していましたが、現在では町内から選ばれた男女がその役を担います。伊勢袴、片肌脱ぎの襦袢、手甲、脚絆、紺足袋、草鞋を着け、花笠を背にした伝統の姿を守っています。
きりん
屋台を方向転換させるときに使用する道具で、手回し式のジャッキのこと。
屋台の下、中央部分にキリンをあてがい持上げ、車輪が浮き上がったところでゆっくりと時計回りに廻します。
現在では油圧式のジャッキを使用する町内が多いようです。
テコ回し
下田町屋台は唯一、江戸時代からの運行技術を受け継ぎ、「キリン」ではなく「ウシ(木製の屋台回転台)」と「ウマ(木製のテコ台)」、角材を使って方向転換を行っています。これは「テコ回し」と呼ばれ、祭りの見所の一つとなっています。
御巡幸・御巡拝
神輿渡御(みこしとぎょ)とも呼ばれる御巡幸は、明治11年に今宮神社の神輿が完成し、氏子町を練り歩くようになった行事です。現在では当番組の各町を回ります。
一番町の鉄棒を先頭に、一番町祭典委員長と氏子総代、太鼓、大賢木(榊)、猿田彦、太刀、鉾、獅子頭、武士、白丁に担がれた神輿、宮司、各町氏子総代、各町供奉員、水屋が続きます。各町の会所では、町内の安全を祈願する神事を行い、神社に遷幸します。
当番組以外の町内には、自動車などを使い簡略化された御巡拝が回ります。
当番組・当番町
34か町の氏子町は昭和15年ころ、上組、下組、田町下組、田町上組の四つの組に分けられました。この四組がまわり番で、祭りの当番組をつとめます。
そしてこの当番組から、その年の祭りの運営を取り仕切る当番町が出ますが、当番町は組内の各町が順番につとめることになっています。
また、四つの組にはそれぞれに固定した親町と呼ばれる町があり、各組内のまとめ役をつとめています。上組は久保町、下組は仲町、田町下組は中田町、田町上組は上田町が親町をつとめています。